渡辺有子さんの料理会



今の住まいに越して一番嬉しかった事は、秋篠の森がとても近くなった事かもしれません。

そんな大好きな場所で渡辺有子さんの料理会が開かれると知り、久しぶりに予約を取る事に必死になりました^^;

頑張った甲斐あって、夜の部に参加できる事になり、私はこの日を心待ちにしていたのです。

日が暮れた後に訪れるのは初めてでしたが、窓から暖かな灯りがもれ、その光景は幻想的でとても素敵でした。

月草に辿り着くと、思わずうっとりしてしまう様なテーブルが目に入り・・・その奥のキッチンでは渡辺有子さんが料理の準備を。

間もなく始まろうとしている料理会への期待がより一層膨らみます。

現在開催中の「Things of everyday展」に出店されている、大好きなATLASの飯村さんやエプロン商会の滝本さん、そして石村さんも一緒にテーブルを囲む事を知り、私にとってはもう夢の様でした。






ワクワクがおさまらないまま始まった料理会、まず一皿目は2種のぶどうとハーブのサラダ。

甘いぶどうと一緒に、そばの実や四角豆が和えてあり、シンプルな味付けなのに本当に美味しくて。今回使われていた器はほとんど飯村さんが集められたアンティークで、それらと料理の組み合わせがとても美しく、しばらく眺めていたくなる程でした。

続いて、金糸瓜のグラタンと銀杏のフォカッチャ。
金糸瓜・・・そうめんかぼちゃはいただいて何度も食べた事があるけれど、毎回茹でておかかポン酢で食べたりで、その食材を使ってグラタンを作ろうなんて思いつきもしませんでした。
絶妙なスパイス使いもさすが!

豚の香りスープ煮 落花生ソース。
6時間煮込んだという豚肉はとろける様に柔らかく、その煮汁でのばして作る落花生のソースがまた、味に深みをもたらしている様に思いました。添えられたじゃがいもはスウェーデン生まれのマチルダという品種だそうで、長時間煮込んでも荷崩れしないそうです。

まだまだこの空間に浸っていたかったのですが、あっという間にデザートの時間になりました。
まず最初に運ばれてきたのはメレンゲ・・・それに使われたアンティークの大皿があまりに素敵で怪しい程にじっくり眺めてしまいました。
数日間湿度の高い日が続いた為、さくさくのメレンゲに仕上げるのが大変だったそう。

オクトゴナルのプレートには、しょうがのプリン、柿のソルベ、さらに菓子屋ここのつさんの豆の甘煮まで添えられて、まさにスペシャルな締めくくりに。






最後の一皿に至るまで、目で楽しみ、美味しさに感動し、この貴重な料理会に参加できて幸せだったなと思いました。

渡辺さんは、味や仕上がりに至るまで全てイメージしてから作り始め、実際の仕上がりは最初にイメージした通りのものになるそうです。
良い素材を使っているから・・・というよりは、火の入れ方、調味料を加えるタイミングなど、様々なポイントをきちんとおさえる事が仕上がりに影響するとおっしゃっていました。
その感覚を得るには、やはり失敗もしながら何度も繰り返し作るという事に尽きるのでしょうね。

なかなか料理だけに没頭する時間はありませんが、一つ一つの料理を丁寧に仕上げる事はいつも心がけていたいと思います。

この日は私にとって心に残る一日となりました。

コメント